Pensionato Santo Amaro
Rua Santo Amaro, 162, Santa Teresa, リオデジャネイロ, CEP 22211-230, ブラジル
宿泊日 2014/6/28-7/2(6泊)
料金 個室:150レアル×5泊(4,900円/1泊) ドミトリー:60レアル×1泊(約2,000円/1泊)
よかったところ
- ワールドカップ期間中にしては安かった
- シングルなのにベッドが3つあった
- キッチンが使える
- シャワー室が無駄に多い
気になったところ
- 治安が悪い
- 不衛生
- 洗濯物が盗まれる
- 宿泊者がリビングで力尽きて寝ている
雑感
ワールドカップ期間中はべらぼうな値が付くとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。理想はコパカバーナを望むホテルだったけれど、1泊3万円は安い方で、とにかく空室がなかった。この安宿は、個室ということだけで決めたが、セントロ付近だったので一言でいえば危険エリアだった。ただし、地下鉄駅から徒歩5分ほどなら足早に帰れると思って決めた。
ブラジルの治安は想像以上で、外に出るときはなるべく手ぶらを心がけ、万が一のためにウエストにお札を数枚隠し持って行動していた。この安宿も、なるべくタクシーでドアの前ぴったりに着けてもらうようにした。鍵を開けるのに手こずっていると、それだけで危機が迫り来る感じがあった。今まで旅したどの町よりも気を遣った。
部屋には無駄に3つもベッドがあった。壁には大きな家具。南京錠を持っていれば、ロックできる作りになっている。いつも部屋を出るときは、必ずパソコンをトランクに入れ、鍵を掛け、トランクの持ち手は家具にチェーンで固定した。それでも100%安心はできなかった。なぜならここはブラジルだからだ!
各部屋では若者たちがそれぞれの時間を過ごしていて、どの部屋もなんとなくドアが開 けっ放しになっていた。私の好きな宿の条件にこの「ドア開けっ放し」がある。お互いに気配を感じつつ、空間を共有しながら生活する感じ。そして、寝るときはドアをそっと閉める。万国共通で、この暗黙の了解がある気がする。ワールドカップの試合が始まると、各部屋から一斉に同じ音声が鳴り出す。ところが私の部屋のテレビは、うまく番組が映らない。そういうときは、宿のスタッフを呼ぶよりも隣 人に限る。親切な若者があっという間にサッカー番組にチャンネルを合わせてくれた。そういえば、到着した日に重いトランクを持って2階まで運んでくれたのは、ホテルのスタッフではなくお客さんだとあとから気づいた。
宿泊者にはトイレットペーパーが1つ渡される。トイレとシャワーは共同で、シャワー室は建物のあちこちに10ヶ所くらい。一通り扉を開けて、一番清潔そうな場所を選んでシャワーを浴びた。唯一バスマットのあるシャワー室があったが、そのバスマットがもう何ヶ月もそのままという感じで腐敗し、放置されていた。決して素足で踏んではいけない様相で、捨てればいいのにずっとある。そこに誰かが着古したTシャツをそっと重ねて、バスマットとして使っているが蘇ったわけではない。ちょっと考えられない。
洗濯するスペースがあったので、時々そこで洗濯をした。いろんな人がテキトーにスペースを見つけて干している。そこでお気に入りの麻のハーフパンツがなくなり、ふわふわの今治タオルがぞうきん代わりになっていたりもした。まあ、その程度で済んでよかった。
1日だけ個室がいっぱいで、男女共有のドミトリーに移った。そこにコロンビア人のフェルナンドという男がいて、一緒にマラカナンへ行こうと誘ってきた。私はコロンビアvsウルグアイのチケットを奇跡的に入手できたけど、フェルナンドは母国がグループリーグを勝ち上がったというのに肝心のチケットを持っていなかった。一瞬、譲ろうかと思ったが、私のブラジルワールドカップはこのマラカナンで締めたかった。日本代表のあの3戦で帰国するのは、どうしても後味が悪かったのだ。というわけで、マラカナン駅まで一緒に行ったものの、フェルナンドとはそれっきりだったので、彼が観戦できたかはわからない。その日、遅い時間にタクシーで帰宅すると、ロビーのソファーに飲んだくれたフェルナンドが横たわっていたので、きっとどこかで祝杯をあげたに違いない。
この宿を拠点にしてニテロイや、コルコバードの丘、フラメンゴのクラブハウスやイパネマ海岸に行った。リオのファンフェスタは砂浜の上だったので、そこに集う世界中のサッカーファンと試合を見るのも楽しかった。日本代表が敗退した瞬間に、帰国便を早めようと航空会社に電話をしたけれど、満席につき予定通りの帰国になった。そして、早く帰国したいという気持ちとは裏腹に、なんだかんだブラジルでの時間を愛おしむように過ごした。ブラジルで過ごした日々を思うとき、この宿の空気が浮かんでくる。
チェックアウトした後、宿のローズおばちゃんにタクシーを呼んで欲しいと伝えると、タクシー会社に電話をするでもなく、なんと、一緒に通りに出てただひたすら一緒にタクシーを待ってくれるという、大変ブラジル的な方法を取ったので戸惑ってしまった。それでも15分でつかまったから上出来か。ローズおばちゃんありがとう。
フェルナンドに写真を送りそびれたのが心残り。